読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

海事録

The Saga of the Clipper Ship

『自由と規律』(初版1949年)より

(前略)

よく新聞に広告の出ている『涙なしに語学の上達する方法』とか、『安楽椅子にもたれて覚えられる外国語の教授』そんなものが世の中にあると思ったら、とんでもない心得違いだぞ。語学なんてそんな生易しいものじゃないんだ。真赤な火の中に突っ込んで鉄板の上にのせて、こいつを鉄槌でガンガン叩くんだ。ガンガン叩く。火花が散る。ジューッと水につける。また叩く。叩いて叩いてまた叩くんだ。二、三年で忘れてしまうつもりなら他に方法もあるかも知れない。しかしほんとうにその語学を身につけるんだったら、地獄の火を通して叩かなければ駄目なんだ。

(後略)